Girls TALK (2004)
2004年8月制作
解題
自己解題
2004年当時、このマンガを描くにあたってもっとも重要視したのは、涼子という少し歪んだキャラクターの導入でした。当時の西野が少し気にするようになっていたことに、どうにも自分の描くおはなしがひじょうにテンプレ的でワンパターンだという問題がありました。端的に言うと、何らかの行き違いや緊張関係のあとに感情的なぶちまけがあって最終的に心的同一化が達成されてハッピーエンドというおはなしの構造(のちに西野が「ちゅっちゅまんが」と呼ぶようになる)の問題で、それまでの西野のマンガの多くがその構造で描かれており、いわば西野のマンガの基本メソッドだったのですが、さすがにそうしたテンプレ的なおはなしに退屈さを感じ始めていたのでした。
本作のメインキャラクターである涼子は、そうしたテンプレ的退屈さの緩和を期待して導入された側面が大きいです。本作で涼子は、悪態だとか罵倒だとかひっぱたくだとか、コミュニケーションにおいて有形無形の暴力ないし権力を介在させる傾向を持ったキャラクターとして設定されているわけですが、そういうある種のドギツさはそれまでの西野のテンプレ的マンガには無かったので、当時はそれでもって少し新味を出せるのではないかと期待していたところがあります。
結果からいえば、ラスト3ページでいつもの「ちゅっちゅまんが」展開に落ち込んでしまっているので、おはなしの構造的にはさほど影響はなかった(そもそも本作の時点ではその構造自体を否定するようなところまでは考えていなかった)のですが、本作のキャラクター設定における暴力ないし権力の契機はその後、2007年からの『Girls TALK』シリーズへ、涼子、李花、泉、なずなという4人のキャラクターと、進学による別離の危機という舞台設定ともども引き継がれました。その点で本作は、後年の『Girls TALK』シリーズの原型でもあります。
ちなみに、勉強の出来不出来に起因しての進学別離の危機というのは、感情的な行き違いやもつれとかでは済まない、現実的かつ身近な危機として、思春期的な説得力があるていどあると思っていて、個人的に好きなモチーフの1つです。
(2011/04/17)
